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Raspberry Pi 2 Model B 入門

 Raspberry Pi 2 Model B を購入したので、ファイルサーバーとして使ってみた。

今回は、それまでの手順を記す。

準備するもの

  1. Raspberry Pi 2 Model B
  2. Raspberry Pi 2 Model B 専用ケース
  3. microSD カード(SD ADAPTERがついているとなお良い)
  4. microUSB 充電器(microUSB B type、Androidスマホと同じもの)
  5. PC(OSは、Windows)
  6. LANケーブルとネットワーク環境

以下のものは、あると便利。(今回は不要)

  1. HDMIケーブルとモニター
  2. USBマウス、USBキーボード

手順概要

  1. Raspberry Pi 2 に、OS(Raspbian)をインストール
  2. Raspberry Pi 2 に、PCから PuTTYssh 接続
  3. Raspberry Pi 2 に、PCからリモートデスクトップ接続
  4. Raspberry Pi 2 に、Sambaでファイルサーバーを構築

これから、手順の詳細を説明する。

1.OSインストール

 この章の手順詳細

  1. OS(Raspbian)のイメージファイルをダウンロードする
  2. ダウンロードしたイメージファイルをSDカードに書き込む
  3. Raspberry Pi 2の電源を入れ、緑ランプの点滅がおさまったのを確認する

まず、f:id:WhiteHead:20140622154458p:plainRaspberry Pi - Teach, Learn, and Make with Raspberry Piから、RASPBIAN*1をダウンロードする。(NOOBS*2ではない)

www.raspberrypi.org

なお、ダウンロードに30分はかかる。(ミラーサイトを利用してもよい)

このサイトのDownloadsページの、image installation guidesに分かりやすく書いてあるので、これに従う。

これによると、Win32DiskImagerを使用して、RASPBIANをSDカードを書き込むとのこと。

f:id:WhiteHead:20140622154458p:plainWin32 Disk Imager download | SourceForge.netから、Win32DiskImgerをダウンロードし、インストールする。

そして、先ほどダウンロードしたRASPBIANのイメージファイルをSDカードに書き込む。

f:id:WhiteHead:20150802013215p:plain

書き込みが完了したmicroSDカードを Raspberry Pi 2 に挿入する。

前準備は以上である。

次に、Raspberry Pi 2に充電器を接続する。

これで、Raspberry Pi 2に電源を入れたことになる。

Raspberry Pi 2の緑ランプが点滅し始める。

この点滅が落ち着き緑ランプが消えると、Raspberry Pi 2が起動したことになる。(モニターに接続していると、背景が青色のRaspi-config画面になっていることが確認できる)

これでOSインストール完了である。

2.ssh接続

 この章の手順詳細

  1. PCにPuttyをインストールする
  2. Raspberry Pi 2をLANケーブルでルーターに接続する
  3. Raspberry Pi 2に割り当てられたIPアドレスを探す
  4. Raspberry Pi 2に、PuTTYssh接続する
  5. Raspberry Pi 2のネットワーク設定を修正する

Raspberry Pi 2に接続したモニター、マウスで操作するのは面倒なので、ネットワーク経由でPCから操作できるようにしたい。

まず、PuTTY*3をダウンロードし、インストールする。

自分は、f:id:WhiteHead:20140622154458p:plainPuTTY ごった煮版というサイトからPuTTYインストーラーをダウンロードした。

次に、PCのIPアドレスを確認する。

Raspberry Pi 2をLANケーブルルーターで接続し、PCでコマンドプロンプトを起動する。(Windowsアクセサリに入っている)

コマンドプロンプト上で、以下のように入力する。

$ ipconfig

下記のように表示されるが、下線部がPCのIPアドレスである。

 IPv4 アドレス........: 192.168.10.4
 サブネット マスク......: 255.255.255.0
 デフォルト ゲートウェイ...: 192.168.10.1

これらの数値は例であり、実際は各個人で異なる値なのでしっかり確認すること。

その次に、Raspberry Pi 2に割り当てられたIPアドレスを見つけるために、PCのアドレスの前後などにpingコマンドを試す。

今回、PCのアドレスは、192.168.10.4 とする。

・失敗例

$ ping 192.168.10.3

要求がタイムアウトしました。

または、

192.168.10.3 に ping を送信しています 32 バイトのデータ:
192.168.10.4 からの応答:宛先ホストに到達できません。
192.168.10.4 からの応答:宛先ホストに到達できません。
192.168.10.4 からの応答:宛先ホストに到達できません。
192.168.10.4 からの応答:宛先ホストに到達できません。

・成功例

$ ping 192.168.10.5

192.168.10.5 に ping を送信しています 32 バイトのデータ:
192.168.10.5 からの応答:バイト数 =32 時間 =7ms TTL=64
192.168.10.5 からの応答:バイト数 =32 時間 =2ms TTL=64
192.168.10.5 からの応答:バイト数 =32 時間 =2ms TTL=64
192.168.10.5 からの応答:バイト数 =32 時間 =1ms TTL=64

となり、大抵近いアドレスで応答があるはずである。

そのアドレスが、Raspberry Pi 2に割り当てられたアドレスである。

今回、Raspberry Pi 2のアドレスは、192.168.10.5 とする。

先ほどインストールしたPuTTYを使用して、Raspberry Pi 2のアドレスにssh接続する。

f:id:WhiteHead:20150801001950p:plain

以下の様な画面が出たら、接続成功である。

f:id:WhiteHead:20150801002047p:plain

Raspberry Pi 2の初期設定は以下の通りなので、これでログインする。

login as: pi

password: raspberry

これにより、PCからRaspberry Pi 2を操作できるようになった。

次に、Raspberry Pi 2のIPアドレスを固定させるために、ネットワーク設定を修正する。

PuTTYのコンソール上で、以下のコマンドを入力する。

$ sudo vi /etc/network/interfaces

これは、設定ファイルをvi*4というエディターで開くコマンドだが、viの操作は独特でかなりの慣れが必要なので頑張ること。

interfacesファイルの

auto eth0
allow-hotplug eth0
iface eth0 inet manual

の部分を、以下のように修正する。(netmask、gateway部分の数値は、ipconfigコマンドで要確認)

auto eth0
iface eth0 inet static
address 192.168.10.5
netmask 255.255.255.0
gateway 192.168.10.1

これでネットワーク設定の修正は完了である。

おまけで、以下のコマンドも実行しておく。

$ sudo apt-get update
$ sudo apt-get upgrade
$sudo rpi-update

これらのコマンドは、Raspberry Pi 2のアップデートコマンドである。

設定を変更したので、再起動させる。

$ sudo reboot

以上で完了である。

3.リモートデスクトップ接続

 この章の手順詳細

  1. Raspberry Pi 2に、xrdpをインストールする
  2. Raspberry Pi 2に、リモートデスクトップ接続でログインする

 コンソールで操作するのはやはり面倒なので、PCからGUIで操作できるようにしたい。

そのために、リモートデスクトップ接続を利用する。

Raspberry Pi 2でリモートデスクトップ接続できるように、リモードデスクトップ接続用ソフトxrdpをインストールする。

PuTTYコンソール上で、以下のコマンドを入力する。

$ sudo apt-get install xrdp

これでリモートデスクトップ接続できるようになったので、リモートデスクトップ接続を起動する。(Windowsアクセサリにある)

f:id:WhiteHead:20150801002559p:plain

Raspberry Pi 2のアドレスを入力すると、下の画面が表示される。

f:id:WhiteHead:20150801011813p:plain

PuTTYの時と同じIDとパスワードを入力すると、PCからGUIで操作できるようになる。

f:id:WhiteHead:20150801002650p:plain

Raspberry Pi 2のデスクトップ画面。(コンソール画面が表示された場合、$ startx と入力するとデスクトップ画面になる)

これで、以前より操作しやすくなった。

4.ファイルサーバー構築

 この章の手順詳細

  1. Raspberry Pi 2に、Sambaをインストールする
  2. Sambaの設定ファイルに記述を追加する
  3. PCからRaspberry Pi 2上の共有フォルダを確認する

Raspberry Pi 2の利用方法の一つとして、ファイルサーバーとして運用することを考える。

そのために、Sambaを利用して、ファイルサーバーを実現する。

リモートデスクトップ接続から、Terminalを実行する。(デスクトップ画面左上のMenuをクリックし、Accessories上にカーソルを移動させると、Terminalアプリが表示される)

f:id:WhiteHead:20150801004449p:plain

Terminal上で、以下のコマンドを入力する。(これは、PuTTYコンソールでも可)

$ sudo apt-get install samba

これで、Sambaのインストールは完了である。

次に、Sambaの設定を変更するために、以下のコマンドを入力する。

$ sudo vi /etc/samba/smb.conf

Samba設定ファイルの[global]部分に、以下の記述を追加する。

[global]
  workgroup = WORKGROUP
  interfaces = 192.168.10. 127.0.0.0/8 eth0
  bind interfaces only = yes
  hosts allow = 192.168.10.
  max log size = 100
  security = user

[public]
  comment = Public
  path = /home/samba/public
  public = yes
  read only = no
  browsable = yes
  force user = pi

これで変更完了である。

その次に、Sambaにユーザーを追加する。以下のコマンドを入力する。(passwordは、任意。追加するユーザー名は、pi以外は不可能)

$ sudo pdbedit -a pi
new password: raspberry
retype new password: raspberry

そして、共有するフォルダを作成し、ファイルも作成する。

ファイルの内容は任意だが、今回は

row1
row2

とする。

以下のコマンドを入力する。

$ sudo mkdir /home/samba
$ sudo mkdir /home/samba/public
$ sudo vi /home/samba/public/test.txt

設定を変更したので、Sambaを再起動させる。

以下のコマンドを入力する。

$ sudo service samba restart

以上で、ファイルサーバーの設定は完了である。

最後に、PCのファイルエクスプローラーで確認する。

ファイルエクスプローラーで、ネットワークのコンピュータにRASPBERRYPIが表示され、その中身のフォルダ、ファイルが見れるはずである。

f:id:WhiteHead:20150801012624p:plain

応用として、Raspberry Pi 2にUSBで大容量記憶装置に接続し、それを共有フォルダに設定することで、大容量共有フォルダも可能である。

 

以上、Raspberry Pi 2 をファイルサーバーとして運用する、でした。

参考にしたサイト:

f:id:WhiteHead:20140622154458p:plainRaspberry Piでファイルサーバ、Part1 Samba基本編 | ものづくりエクスペリメント

f:id:WhiteHead:20140622154458p:plainRaspberry Piをモニターとキーボードなしで導入する(その1)SSHでのログインまで

*1:RASPBIAN:LinuxディストリビューションDebianをRaspberry Pi用にカスタマイズしたOS

*2:NOOBS:Raspberry Pi 2用のOSインストーラー。複数のOSが入っており、その中の一つがRaspbianである

*3:PuTTY:リモートログオンクライアント。他のソフトとして、Tera Termがあげられる

*4:vi:UNIX環境上で人気のテキストエディタ。ラインエディタという、マウスを使わないCUI上で編集可能なエディターである